こんにちは、つるぴよです!
今回は、「このマンガがすごい!2024 オトコ編」で堂々の第1位を獲得した話題作
『ダイヤモンドの功罪』(平井大橋)をご紹介します!

野球漫画? スポーツもの?
そう思って手に取った私の心は、思いっきり揺さぶられました。
これはただの“天才が活躍する物語”じゃない。
“才能”という重すぎる荷物を背負った少年と、それを取り巻く人々の痛みと葛藤を描いた、心がザワつく漫画です。
今回は、あらすじや登場人物などネタバレ控えめで作品の雰囲気を紹介します!
『ダイヤモンドの功罪』ってどんな作品?
- 作者:平井大橋(ひらい おおはし)
- 掲載誌:週刊ヤングジャンプ(集英社)
- 連載開始:2023年〜現在連載中
- 既刊:1〜8巻
- ジャンル:野球/ヒューマンドラマ/心理劇
- 受賞歴:このマンガがすごい!2024〈オトコ編〉第1位/マンガ大賞2024ノミネート 他
作者の平井大橋先生は本作が初連載。

でも、連載前から野球をテーマにした読み切りで注目されていて、登場人物名やビジュアルが同じことから今作にもその世界観やキャラが繋がってるという噂も…。
あらすじ
主人公の綾(あや)は、小学5年生。
体格は大人顔負けで、身長はすでに169cm。
驚異的な運動神経を持ち、全ての運動競技で群を抜く、まさしく天才。
野球でももちろん、やり始めてすぐ異次元レベルの才能を見せつけます。
綾の投げる球は、同世代の誰にも打てず、捕球もできないほどの剛速球&変化球。
周囲の子供からすると、
綾は日常にいきなり混ざってきた異形の存在。
才能が輝きすぎていて、もはや畏怖レベル。


みんなに混ざって楽しみたいだけなのに圧倒的な自分の能力により、周囲のみんなから明らかに浮いてしまう。
「そんなに野球ができるのに、なぜそんな顔をしているの?」って。
それは彼が、「自分が本気を出せば、誰かの夢を壊してしまう」と知っているから。
――圧倒的な実力を持つ綾が試合に出れば、いとも簡単に勝敗は決まってしまう。
――今まで強豪チームでエースを張っていた子達が、綾の才能に打ちひしがれ、絶望する。
――味方の選手たちも、綾のピッチングを見て「自分は全く必要ではない」と感じてしまう。
そしていつか彼は本気を出すことを避けるように。
自分の本気について来れるものは存在しない、ならせめて、楽しくみんながプレーできるよう、いい思い出になるような試合にするよう、圧倒的な能力でゲーム(試合)を調節するようになってしまうのです。
元プロのコーチにも気付かれないよう、一緒に戦っているメンバーにも、相手にも気付かれないように…
綾が求めているのは、勝利でも名声でもない。
ただ、仲間と一緒に“楽しい野球”がしたいだけ。
でも、大人たちは彼を放っておかない。


「この子はプロになれる素材だ」
「こんな天才を“草野球”に埋もれさせていいわけがない」
大人たちの「善意」によって、綾の居場所は何度も揺らぎます。
読んでいて、何度も心がザワザワしました。
だって、綾は悪くない。
むしろ、誰よりも周囲を思いやってる。
なのにその優しさが、才能ゆえに通用しない世界で壊されていくんです。
「勝てばいいってもんじゃない」
「才能があるからって、幸せとは限らない」
この物語は、いわゆる「天才の孤独」を
静かに、でも鋭く突きつけてくる作品だと感じました。
この漫画の魅力と特徴 ―「天才」って、誰のためのもの?


『ダイヤモンドの功罪』の最大の魅力は、
“天才”という言葉の裏にある孤独と葛藤を描ききっていることだと思います。
野球漫画って、普通は「夢に向かって努力!」「仲間との絆!」「熱い試合展開!」っていう、
爽快で前向きな空気感が定番だと思うのですが、
でもこの作品は、その逆を行く。
たとえば、綾が投げる球は本当にすごいんです。
でも、それによってチームメイトの出番が減ったり、自信を失ったりする。
活躍するたびに、綾は“チームを壊してしまった”って罪悪感にとらわれるんですよね。
私の印象に残っているシーン、
すごくすごく大きな試合で優勝した時、
「勝ったのに、誰も笑ってない、喜んでいない」っていう空気感。
野球の試合に勝っても、綾自身も笑ってない。
チームメイトも、明らかに距離を感じている。
勝利が、綾を“孤独の頂点”に押し上げてしまうんです。
この作品、試合のシーンはあっさり目、会話や心理描写がメインなんです。
子どもたちの小さな心の揺れとか、
大人たちの「この子をどう育てるべきか」という焦りとか、
セリフ一つ一つに重みがあって、ページをめくる手が止まらなくなる。
監督や親たちの描かれ方もリアル。
「才能ある子には、ちゃんとした道を用意してあげたい」っていうダイヤの原石の綾を放って置けない気持ち、そりゃそうだよなあと思います。
でも、それが“本人の気持ち”を置き去りにしたまま進んでしまっていて、綾はいつの間にか逃げ出せない、高いところへ連れて行かれている。
そして、綾と同年代のチームの親御さん達の反応にもグサグサ
強いチームの親御さん達はとにかく熱心な方が多いので、遠征やサポート活動にすごく力を入れている。自分の子供の将来の為に、と忙しいだろうに子供が小さい頃から足繁く通っている。
なのに突然、いきなり入団した綾によって全てのバランスがぐちゃぐちゃに。全て、綾優遇の綾の為のチームに変わってしまう。
更に綾の親は、ほぼ練習に参加したり顔を出すこともないので、綾&綾の親に対するヘイトが溜まっていく、、、
ここら辺、苦しいですよね〜。
でも漫画としては本当に面白い。
このあたり、部活経験ある人とか、
熱心に子供のクラブチームや習い事させている親御さんはめちゃくちゃ刺さるんじゃないかなあと思います。
絵柄は地味めなんだけど、それがまた良くて
ド派手な演出に頼らず、登場人物の目線や沈黙で語るシーンがすごく多いのです。
読んでて「空気が張り詰めてる…」って感じるくらい、
間の取り方や感情の流れが丁寧で、グサグサ刺さってくる。
そしてタイトル。
『ダイヤモンドの功罪』。
「才能=ダイヤモンド」なのに、
それが“功”にも“罪”にもなるってことでしょうか?
今の所は罪の部分だけがとても強く描かれていますね。。
とにかく、ただの「天才が活躍する野球漫画」だと思って読むと、
良い意味で裏切られます。
なぜここまで話題に?注目された理由と受賞の背景
『ダイヤモンドの功罪』がすごいのは、
単に「面白い野球漫画」だから、という理由じゃないことは上を読んで頂いて分かってもらえたかと思います。
むしろ、この漫画は“痛い”んです。
読んでて、胸がギュッと締め付けられるようなシーンが多い。
でも、それがリアルで、刺さって、心に残る。
だからこそ、この作品は2024年の「このマンガがすごい!オトコ編」で堂々の第1位に選ばれました。
私もランキング見たとき、「えっ!? 野球漫画が1位!?」って思ったんですよ。
でも、読んでみてすぐに納得。
これはもう、ジャンルを超えた“物語”です。
才能の光と闇を、真正面から描いた姿勢に共感が集まった
受賞にあたっての選評コメントを読むと、
「ありふれた“天才もの”に見えて、ここまで人間の内面を描くとは」
「読後感が重いのに、なぜか忘れられない」
「胸がザワザワする感覚が癖になる」
…といった声が多くて、うんうんと頷きっぱなしでした。
パパぴよ:



「部活の中で“すごいやつ”いたなぁ、とは思うけど、綾の才能はまさに異次元。類を見ないレベルだよね。」
つるぴよ:



「そうそう。最初の方から“世界トップレベルの能力”を持つ主人公だから、ただ浮いてるとかそういう次元じゃないんだよね…。」
綾の投球を見た大人たちはみんな、言葉を失う。そしてその才能に、知らず知らず“飲まれていく”んです。



「綾の才能にあてられてしまうのが全方位だから、友達のパパが綾に入れこみすぎてその子の家庭壊れたりとか…もう本当にすごい。」
つるぴよ:



「なんか…少し遠くから見守れる野球好きおじさんたちが一番幸せそうだよね(笑)
まるで“大谷選手に沸き立つ人々”のような、あの手放しで楽しめて喜べる幸せっていうか…。
年齢・立場によって感じ方が変わる“普遍性”がすごい
この漫画、どの立場で読むかによって感じ方が変わるんですよ。
・同世代の少年目線なら「こんな子、近くにいたらしんどい…」って思うかもしれない
・親目線で読めば「綾の孤独がしんどすぎて、守ってあげたい…」ってなる
・部活経験者なら、あの“空気”のリアルさにゾッとするかもしれない
たとえば、自分が“一般人側”だった人なら、
「うわ、こういう子いた…!」って記憶がフラッシュバックしてくるし、
逆に「ちょっとできる子」だった人なら、
「期待がしんどい」「浮いちゃう感じ、わかる」って共感する部分もきっとある。
読む人の立場や経験によって見え方が変わる、そんな懐の深さがある漫画です。
“痛いのに癖になる”――この作品の中毒性
私自身もそうだったけど、読みながら何度も「うわわ…つら…」って思うのに、
ページをめくる手は止まらないんですよねー!
苦しい。
でも、目が離せない。
その中毒性が、この作品の一番すごいところかもしれません。
「読み終えたあと、ずっと余韻が残ってる」
「誰かとこの気持ちを共有したい」
…そんなふうに感じる読者が続出して、口コミでもじわじわ広がっていったんだと思います。
そんなわけで、私が今すごく推している漫画紹介、『ダイヤモンドの功罪』紹介記事でした!
野球に詳しくない私でもめちゃめちゃハマっております!
本当に続きが待ち遠しい作品です!
興味のある方はウェブ漫画サイト「ヤンジャン!」にて最初の方の話が読めますので見てみてくださいね!
この記事も読んで頂いて感謝です!